SP(野望編)

 この映画はV6の岡田君(君、といっても僕より年上ですが)主演のドラマ「SP〜警視庁警備部警備課第四係〜」の劇場版です。テレビドラマの続編扱いなので、ドラマをすべて見ていないと全くわかりません。最近ではすっかりお馴染みになった「完結は劇場で!」商法です。しかも2部作です。やりすぎです。

 正直、映画にする必然性があまり感じられませんでした。少なくとも、野望編ではテレビ版とやっていることがあまり変わりません。警護対象が与党幹事長になっただけです。もう少し映画ならではの派手目のアクションを入れて欲しかったです。肝心の井上と緒方との対峙も、全く会話にならない形で決裂してしまったので残念です。もう少し緒型の言葉に具体性があって、井上を迷わすくらいの説得力があれば面白くなると思うのですが・・・・。そういう物語ではないということでしょうか。

 そもそも、井上が緒方を疑っているのは、ドラマ版最終回で、緒形と新しくきた警察幹部(名前忘れました)の会話を超感覚で聞いているからなんですよね。ということは、緒形は、井上が自分に対して疑念を抱いていることに確信がないわけです。それなのにも関わらず、井上に対して「その力、もっと大きなことに使わないか」と持ちかけるとは・・・前置きを端折り過ぎな感があります。革命編はまだ見ていないので、緒形の真意がどこにあるかはわかりませんが、これで本気で井上を仲間に引き入れるつもりだったということなら酷いと思います。

 この映画の見所は劇場版からの登場の香川照之さん扮する与党幹事長、伊達国雄です。香川さんの演技は、芝居臭く、オーバーな感じがするので政治家にぴったりです(笑)。講演会の演説では、本当にこういう政治家がいるかもしれないと思ってしまいました。暑苦しい、胡散臭い演技が最高です。この人が出るだけで、にやけっぱなしでした。

 今日からレンタル開始の革命編が楽しみです。恐らくは、緒形が内偵していたというオチなのだとは思いますが、本当に裏切っていて、最後に井上の手で撃たれるというのも面白いかもしれません。革命編の内容で、この野望編の印象も変わるのだと思いますが、野望編単体では100点満点で60点、というところです。
 
 印象的なセリフ「残念だ・・・本当に残念だよ」