ライトノベル

 ライトノベルって、どのような年齢をメインの客層と考えているのでしょうか?中高生?大学生?社会人?どれも正解のような気もしますが・・・ちょっと考えて見ます。

 まず、小学生は違うでしょう。小学生の小遣いで一冊500円ほどする小説を変えるとは思えません。では、中学生でしょうか?中学生も微妙ですね。金銭的な面もありますし、中学生は足がありません。近所の本屋であれを買うのは、なかなか根性がいります。友達に見られた日には、翌日からの学校生活が一変します。

 そうなると、やはりある程度金銭的余裕のある高校、大学生あたりになるのでしょうか。実際、売り場を眺めるとそれくらいの年齢の人が多いように見えます。若いビジネスマンは皆無ではありませんが、あまりいません。飛び越えて50代くらいの人が売り場をうろついていたりします。人の趣味はそれぞれとはいえ、おいおい・・・いくらなんでも引退しろやとツッコムとともに、僕もああなるのだろうか、と我が身の将来を案じてしまいます。

 そもそも、ラノベ購入者は物語に何を期待するのでしょうか?メインの客層が高校生から大学生である(と思われる)こと、ライトノベルは基本的に、学園物、SFものが多く、主人公と周囲のキャラクターがメイン客層の年齢と同じであることを踏まえると、やはり「こうありたかった」「もしこうだったら」と自らの人生と重なることのないドキドキ、ワクワク感を期待するのでしょうか。

 僕自身が小説を読むと「もし自分が主人公なら、どう行動しているか」と考えてしまう人間なのでハッキリと言えますが、この心の動きはちょっと危険です。というのも、「リアルとリアル、フィクションはフィクション」と折り合いつけられるのなら問題ありませんが、つけられないとハラハラ、ドキドキ、ワクワクのフィクションの世界の方に心の重きを置いて、クソッタレなリアルの世界にさよならしてしまうからです。そうなってしまうと、自分の人生が動でもよくなってきます。この「煩わしさがない」「自分に都合がいい」ということでは、いわゆるギャルゲーもそうだと思います。

 マルクスが「宗教はアヘンである」という言葉を遺しましたが、21世紀は「ラノベとギャルゲーはアヘンである」という時代になるかもしれません。