XMEN ファーストジェネレーション(映画)

 以前から期待していた作品です。4、5作目くらいにあたりますが、X−MEN本編の前日譚ということで、時間軸は1の前です。僕は1だけ見ました、と言うかこの映画のためにわざわざ予習しました。それだけの価値はあったと思います。
 出会い、友情、共闘、決別という過去を描く物語として盛り込める要素は全て盛り込んだのではないでしょうか。嫌な気分になるところが全然ありませんし、単純娯楽バカ映画としては最高だったと思います。マイノリティーがどう、ゲイがどう(X-MENはマイノリティー=ゲイを描いたという話は有名)というのを見たい方は「シングルマン」を見ればいいと思います。こちらも見ましたが、死ぬほど重苦しく、美しい映画でした。お勧めは出来ませんが、見てよかったと思います。
 基本的に今作で主人公=後の「プロフェッサーX」はあまり戦いません。テレパシーが能力の上に、ボス戦では当然のようにブロックされて心を読めないというオチなので味方の連絡要員です。番外編とはいえ、主人公の戦闘回数がほぼゼロなのは新しいと思いました。
 そしてこの主人公のドヤ顔ぶりがすごいです。誰に対しても基本したり顔です。仲間はミュータントであるという「普通の人とは違う」自分のあり方に苦悩しますが、こいつだけは全くブレません。つまり、悩んだ末の成長もありません。己の信じた道を進むのみです。心を読めるくせに、一番空気読めてなかった感があります。
 ドヤ顔の最高潮が親友=後の「マグニート」の特訓シーン。おいおい、そいつはやっちゃいけないだろうという外道行為を親友にかました挙句、相手のマグニートが全く気にせず能力アップという菩薩のようなスルーっぷり。マグニートはわけあって泣いてましたが、僕は主人公の非道とドヤ顔に笑ってしまいました。
 2時間があっという間に過ぎました。アクション映画じゃ、今年見た中で一番です。X-MENの1作目をみることにあまり意味はありませんでしたが、ウルヴァリンサイクロプスの残念ぶりに爆笑したので、1もみてよかったと思います。