ミレニアム〜ドラゴン・タトゥーの女〜(映画)

 観ました。スウェーデンの映画です。来年2月にソーシャルネットワークのデヴィット・フィンチャーが監督、007のダニエル・グレイグが主演でのリメイクが決定されています。
 
 ジャーナリストのミカエルと、フリーの調査屋リスペットの探偵系サスペンスです。全体的に陰鬱な雰囲気が漂う「羊たちの沈黙」を思わせる映画でした。
 
 役者陣はどの人もいい演技をするのですが、その中でもリスペット役が群を抜いています。役者が独特のビジュアルと数々の仕草でリスペットの精神状態を滲ませています。マンガやアニメと違って映画はキャラ付けが弱いものが多いのですが、このリスペットというキャラクターは存在感がバッチリでした。
 
 小説をパラ見すると、結構改変部分がありました。特にキャラクターの雰囲気が変わっています。リスペットは映画だと何を考えているかイマイチ分かりにくいキャラクターなのですが、小説だとツンデレ気味です。ミカエルにいたっては、映画だと誠実な真実を求めるジャーナリストなのですが、小説だと女性編集者と不倫して、妻子を何度も裏切っている相当なクソ野郎になっています(笑)。悪いこととは思いながらついやってしまった、という心情描写がありますが「つい」はクズの常套句です。こやつが道徳めいた説教をしても全く説得力が無いので、映画版の改変は大正解だったように思います。
 
 印象に残るセリフはありませんし、同じサスペンス映画である羊たちの沈黙と比べるとどうしても見劣りしますが、見て損はない作品です。2月に公開するハリウッド・リメイクも見ます。主演のダニエル・グレイグはミカエル役に似ているので違和感が無いのですが、リスペット役はオリジナルを見た後だとコスプレに見えてしまうという難点が気になりますが・・・頑張ってもらいたいです。
 
 一つ注意点があります。かなりキツイ性的虐待シーンが2箇所ほどあるので、絶対に一人で見たほうがいいです。家族と見たりすると気まずくなること請け合いです。当方いい歳をしていますが、思わず目を背けたくなるくらいのシーンでした。よく寝て、よく食べて気力が充実しているときに見るのがオススメです!